ヘトヘトブログ

B級洋画や小説の感想を書くブログ→の予定だったが、他の趣味についても書いていく

団地が好き

突然だが、団地が好きである。

 

団地妻が好きではない。団地の建物が好きなのである。

 

幼少期をとある企業の大規模な社宅(団地)に囲まれた場所で過ごしたためか、団地を見ると心が不思議と安らぐ。

 

さらに数年前に、TumblrDANCHI DREAMSという外国人の写真家が撮った日本の団地の写真集を見てからは団地好きがより一層加速してしまった。

 

というわけで、下手くそではあるものの自分でも団地の写真をポツポツ撮って載せていきたいと思う。

 

映画「ted(テッド)」を見た

ずっと前から見たい見たいと思っていたtedをよーやく見ることができた。今まで知らなかったのだがtedは(あの見た目で)15禁なので、公開当初見たいと思っていた頃はどちらにせよ見ることができなかったのだ!

 

tedのあらすじ

動いてしゃべるテディベアと冴えない男の友情物語

 

えっこれまさかの腐女子受け狙ってた??

 

もう

 

下品すぎ!!特にきゅうりを使ってアアッとか

 

 

tedのストーリーはまったくもっておもしろくはない。だがしかし乾いたかわいらしいテディベアと、ここまで湿ったR18・下ネタをミックスしたこの発想は本当に天才的である。

 

いっそのことい生々しいtedの濡れ場を入れたら、今のような大々的なグッズ展開はできなかったかもしれないが、伝説の変態B級映画になっていたことだろう。

インスタント沼

Amazonプライムで「インスタント沼」という映画を見た。

すばらしーいB級映画だった。

 

この映画で主人公のハナメ役を演じている麻生久美子が、なんだか妙にかすみ果穂(もう引退した○V女優)に見えてくるぐらい何かをこじらせている私にはとても楽しめた。

 

主人公のハナメは元々雑誌の編集の仕事をしていた。出版業界への就職はかなり難しいこと、年齢が30歳前後(でありながら編集長)だったことを鑑みると、ハナメは元々エリートの部類だったと分かる。そのように考えるとハチャメチャで、キンキンうるさくて、何だかよく分からないハナメの行動がどこかすっと腑に落ちる。

 

ストーリーに脈絡も自然さもなく、普通はどの登場人物にも深く共感することはできない。沼に浸る気分で、映画に浸るのが正しい鑑賞の仕方だと思う。

映画「フローズン・タイム」の感想

 

2018年3月に見た「フローズン・タイム」の感想

あらすじ

美大 に通う青年が、恋人と別れて不眠症に陥ってしまったので、不眠によって浮いた夜の時間にスーパーでバイトをして、時間をお金に「CASHBACK」(ちなみにこれが原題)することにした。(この発想はなかなかない、というより現実でやったら倒れるだろうよ)。不眠症はちっとも治らずそうこうしているうちに主人公は時間を止める超能力を手に入れて、青年はその能力を活かして働いているスーパーの女性客の体をデッサンするようになった。その後いろいろあって青年が新たな恋を見つけたところで終わり。

 

感想

普段洋画では良くも悪くも騒がしいアメリカ映画を見ることが多いので、なんだか落ち着いているイギリス映画は新鮮だった。アメリカはイギリスから独立した国なのに(「だから」か?)、アメリカとイギリスの雰囲気はかなり異なる。

 

アート映画のような作品だという印象を受けた。鑑賞後に元々短編映画として作られた映画だと知って納得。ストーリーを楽しむ映画ではなく、雰囲気や絵面を楽しむ映画だと思う。特に場面の切り替えの描写はきれいで印象的だった。しかしその観点から見ると、最後の雪は妙に不自然で気になった。

映画「日本で一番悪い奴ら」の感想

今日、日本映画の「日本で一番悪い奴ら」(2016年公開、主演:綾野剛)をAmazonプライムビデオで見た。

目を離せない展開の連続で、本当におもしろかった。今のところ今年最高の映画である。 

あらすじ

綾野剛演じる1人の真面目で気弱な警察官が、警察組織の中で生き残り出世していくために、様々な強引な手段(それがエスカレートして違法行為、犯罪になっていく)をとるようになり、やがて破滅してしまう。

 

感想

稲葉事件という実在の事件をモチーフにしている

この映画の冒頭では「この物語は北海道警察の実在の刑事をモデルにしたフィクションである」ことが明言されているが、Wikipediaなどでちょろっと稲葉事件の概要を調べた程度の認識では、かなり事件に即して作られている映画だと感じる。例えば以前見た「先生を流産させる会」よりはずっと実際の事件に即している。

稲葉事件というのは、まさにこの映画の通りなのだが、北海道警察で銃器対策課のエースと呼ばれたある警察官が覚醒剤取締法違反と銃刀法違反で逮捕され、その背景にある北海道警察の腐敗(裏金の存在、やらせ捜査など)も含めて話題になった事件である。

ただ稲葉事件で逮捕され有罪になった警察官は刑期を終えた後、本を著したり探偵事務所を開いたりしているようなので、この映画の主人公の性格として強調されているような気弱さはなかったのではないかな、となんとなく思う。

 

綾野剛の演技力

この映画の素晴らしさの8割ぐらいは綾野剛にあるといってもいいぐらいこの映画での綾野剛の演技は本当に素晴らしい。最初の柔道しかできない不器用な男が苦労する様子、人から評価されてだんだんと自信をつけていく様子、全ての歯車が噛み合わなくなっていって最後は麻薬に頼るようになり身も心も狂っていく様子、同じ人間が演じているとは思えないほどの幅の広い演技である。

それに加えてすばらしいのがメイクである。メイクで作られた顔つきの変化によって、数十年での主人公の行動や考え方の変化がより迫力をもって伝わってくる。ただ最後、2000年〜2002年ぐらいの夕張に左遷されているときの綾野剛の容姿は主に頭とひげがやや不自然であることが気になった。さすがに短期間に老けすぎなのではないかと笑。

 

今となっては洒落にならないピエール瀧

ピエール瀧綾野剛演じる主人公の1番最初の上司で、主人公のせいで(本人にその気はなかったが)淫行が発覚して逮捕されてしまう悪い刑事の役を演じている。主人公はピエール瀧が演じている上司の助言通りに「点数稼ぎ」)に励み、やがてその上司と同じように破滅してしまう。そのためピエール瀧の演じる役は、出演時間こそ短いがこの映画の中で進む物語の道標のような役である。

悪役がぴったり似合うピエール瀧だが、本当に悪いことに関わっていたことが先日判明しているので、なんだかより一層凄みがある。綾野剛の役は麻薬を使用するシーンが多数あるが、ピエール瀧の役はそれがないのが不幸中の幸いだといえよう。

 

「日本で一番悪い奴ら」は誰か

この映画における「日本で一番悪い奴ら」は、主人公を違法捜査・麻薬使用まで追いこんだ北海道警察の幹部だという意見がある。しかしこの極悪警察官に見える主人公に極悪行為をしなければならなかった背景があったのと同様に、道警の幹部にも裏金を溜め込んだりヤラせ捜査を(ほぼ)強要したりしなければならなかった背景があったのではないかと思う。そう考えると「日本で一番悪い奴ら」をこの映画における特定の登場人物だと決めることはできない。

「日本で一番悪い奴」はいない。「少し悪い奴」、「普通な奴」あるいは「少し良い奴」が集まることによって「日本で一番悪い奴ら」ができあがってしまうのだ。この映画で描かれているのは、「組織」というものがもつ人の性質を変える恐ろしい力なのではないかと思う。

フィフティ・シェイズ・ダーカーはぬるい!!

「フィフティ・シェイズ」シリーズは全3部作だが、TSUTAYAで宣伝されていたので2作目の「フィフティ・シェイズ・ダーカー」だけ見てみた。理由は後述するが他の2作を見ることはないと思う。

あらすじ

平凡な女性がSM趣味のある大富豪と恋に落ちる話

 

感想

全体的にぬるい作品だった。恋愛映画にしては感情の揺れの描写が少なすぎる(というよりもほぼない?)。官能映画にしてはエロさが足りない。変態映画にしては変態さが足りない。正直なところ、官能や変態を求めるならば同じようにR18指定のジャパニーズアダルトビデオを見たほうがずっといいのではないかと思う。

サスペンスが売りだとどこかに書いてあったが、サスペンスはあったか?

 

1番がっかりだったのは、SMプレイがあまりにぬるい。

ハリウッド女優にハードなSMプレイを求めてはいけないのは重々承知だが、あまりにソフトすぎて、クリスチャンがド変態サディストだというこの話の核であろう部分があまり伝わってこなかった。そしてそのために、アナスタシアの「変態のクリスチャンと恋すること」についての葛藤もほとんど伝わってこなかった。

 

この映画には原作の官能小説があるようだが、果たしてこんなにも予算をかけてユニバーサル配給で映画化する必要があったのだろうか。もっと無名の俳優・女優を起用して低予算でB級映画として制作した方が、よりクリスチャンのSM趣味を鮮明に描くことができて変態性や官能性に特化したおもしろい映画になったのではないかと思う。

後妻業の女

一昨日、「後妻業の女」をAmazonプライムビデオで見た。2016年に劇場で広告を見て以来気になっていたので見られてよかった。

 

私の祖母は容姿が少し大竹しのぶに似ていて、しかも大竹しのぶが演じる主人公・小夜子のように気が強いので(後妻業はしないけれど)個人的になんだか懐かしいような気持ちになる映画だった。

 

以下多少のネタバレを含む。

あらすじ

後妻業(死にそうな爺さんと結婚し遺産を吸い取ること)を生業としている女(主人公・小夜子)の本当の姿に迫っていく映画である。この映画には勧善も懲悪もない。ただ悪の姿を見せて終わりなのだが、その悪の中には憎めない愛らしさがあり、それがこの映画の核である。

 

感想

~キャストについて~

大竹しのぶ豊川悦司・・・と豪華なキャストである。やはりベテラン俳優は演技がうまくて安心して映画の世界に入り込むことができる。

某レビューサイトを少し覗いてみると、風間俊介がミスキャストだという意見が少なからずあるようだが、私は良い配役だと思う。

後妻業の女(小夜子)の息子がEXILE風のバリバリに悪そうな男だと洒落にならないが、威嚇のためにいちいち大声を出すような臆病で気弱な男なので、後妻業の女(小夜子)なりに息子を大事にしてきたのではないかと推測される。そしてその推測が、悪が懲らしめられないラストに視聴者が抱く不快感を緩和している。

 

~その他~

この映画において小夜子と朋美は加害者と被害者という反対の立場だが、気の強さは共通していると思う。この2人の対決シーンをもっと見たかった。最後の方にしみじみと姉妹で語り合うだけではなく、最後に朋美の気持ちを小夜子にぶつけて終わってほしかった。

 

また宣伝では、大竹しのぶ(あえて女優名で書く)が笑福亭鶴瓶股間を見て

通天閣やないスカイツリーや」

と叫ぶシーンが多用されていた。しかし笑福亭鶴瓶はこの映画では脇役なので、当該のシーンを映画の中で見つけたときは拍子抜けしてしまった。重要人物どうしのやり取りでこのような印象的なセリフを入れることができなかったのかと思う。

 

全体的にはとても邦画的で、おもしろかった。