ここのところ実習の関係で1週間~1か月ごとにいろいろな場所を転々としている。
その場所の人と1か月ぐらい一緒に過ごすと、いろいろな話をしてそれなりに仲良くなる。それでも1か月経つとそこで終わり。多分もう2度と会うことはない。
たくさん話していた人と急に会わなくなると、その人に対して抱いていた感情や考えをどこに置けばいいのか分からなくなる。行き場を失った感情や考えが頭の中で暴れだして、情緒が不安定になることがある。
たくさんの二度と会わない人と関わるのがツラい。
人生で何十年も継続的に会い続ける人なんてほとんどいない。家族ぐらいかもしれない。
その瞬間は親しくても、時が過ぎ去ると二度と会わない人ばかりだ。自分の人生を風のようにヒュンヒュンと通り過ぎていった人たちのことを私はいつも考えている。
一瞬でもそれなりに深く話すと、その後二度と会わなくてもその人が私の中に住み着いてしまう。かつて話した人たちがふとしたときに私の意識の表面ににょきっと出てきて、私を批判したり支えてくれたりする。
実際に会うことは二度となくても、昔関わりがあった人たちが私の頭の中から消えることはない。というよりもそういった記憶こそが自分の本体なのではないかと思うことがある。
私が好きな宇多田ヒカルのPassionという歌の歌詞に
「二度と会えぬ人に場所に窓を開ける」
というフレーズがある。
自分とは向かいあった大きな窓が開け放しになっている家のようなものだというイメージを抱いている。日々そこを様々な風が通り過ぎているのかなと思いながら、日々の生活を送っている。